どうも!ストレッチを日課にしてるライターのカナモです!
映画って基本的には創作です。誰もが惹きつけられるような作品にするには、現実で起こりうるような話ではインパクトがありませんからね。
しかし、現実の話でも創作を超えるようなインパクトを持ったものが存在します。
今回はそんな「嘘のような本当の話」を映像化したノンフィクション映画を10作品紹介したいと思います。
フィリップ、きみを愛してる!
愛する彼氏のために何度も詐欺と脱獄を繰り返す男の話です。
養子として育った警察官のスティーブン(ジム・キャリー)は、警察の情報力を利用して実の母親を探し出します。しかし母親は何も言わず彼を拒絶。
傷心のスティーブンはその日のうちに警察官を辞職し、妻子と共にテキサスで食品関連の仕事に就きます。
しかしある日自動車事故に遭い、これからは自分の人生を正直に生きると決意。つまりゲイのカミングアウトです。そこからは彼氏を作りながらゲイライフを満喫します。
でもその生活ではやたら出費が嵩んでしまい、今の仕事では足りないと感じたスティーブンは、非合法な稼ぎ方をするようになります。つまり詐欺ですね。
保険金詐欺、カード詐欺、旅券詐欺、食品偽装など、あらゆる手法を使って稼いでいきます。
しかしずっと上手くいく筈もなく、スティーブンは逮捕され刑務所に収監されます。そしてそこでスティーブンはフィリップ(ユアン・マクレガー)と運命の出逢いをする事になります。
本当に良い映画ですよ。愛する人の為に刑務所から逃げ出す様子は、現代の大脱走という感じです。
モーターサイクルダイアリーズ
アルゼンチンの医大生エルネスト(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、友人の科学者アルベルトとともに、1台のバイク「ポデローサ(怪力)号」に乗って南米大陸縦断の旅に出ることに。
12000kmというとんでもなく長い旅路の中で、持病の喘息の悪化、バイク事故、荒野や雪山を放浪など、沢山の困難に直面します。
そしてその旅の中で南米の人々の厳しい現実を知り、エルネストはある行動を起こします。
エルネストという名前でピンときた人もいるかもしれませんが、この映画はキューバの革命家「チェ・ゲバラ」の若き日を描いたものです。
喘息持ちの医大生が何故革命を起こすようになったのか、その理由がこの作品に詰まっています。
チェ〜28歳の革命〜
モーターサイクルダイアリーズを観た後は、これを観るべきです。
ストーリーは女性インタビュアーの質問に回想しながら答えて行く形で進みます。
アルゼンチンからキューバに渡ったエルネスト(ベニチオ・デル・トロ)は、そこでフィデル・カストロと出会い、彼の考え方に共感して自らも革命軍として活動を開始します。
類稀なる指導力を持っていた彼は、親しみを込めて「チェ(やぁ、よう的な意味)」という名前で呼ばれ、いつしか革命の中心人物に。
そしてカストロの指令により、彼の部隊はサンタクララを制圧してキューバを分断させるという重要な作戦に駆り出されます。
できればチェ・ゲバラがどういった人物で、どんなことをやったのかを前もって知っておいた方が、映画の内容をより深く理解できるでしょう。
当然ながら、後編である「39歳別れの手紙」も観ないと意味ないです。
ミルカ
1960年、ローマオリンピックの400m決勝。優勝候補であるインド代表のミルカ・シン(ファルハーン・アクタル)は、何故かゴール直前で後ろを振り返り優勝を逃してしまいます。
国中がそれを話題にし、マスコミも彼を辛辣に批判する中、インドとパキスタンの親善スポーツ大会が開催されることに。しかしこの両国の関係こそが、ミルカが振り返った原因だったんです。
真相を探るべく、担当大臣はミルカを育てた2人のコーチと共に、彼の自宅へと赴くのでした。
僕の感想としては、この映画の構成は「フォレスト・ガンプ」によく似ていると感じました。
ストーリーは2人のコーチが電車内で大臣に話すミルカとの思い出が軸になっていて、フォレスト・ガンプがバス停のベンチで人生を振り返るシーンを彷彿とさせます。
そして当時のインドとパキスタンの問題に焦点をあてたストーリーなんで、フォレスト・ガンプよりも深い内容になってます。
インド映画と言えば突然一斉に踊り出すイメージが強いですが、この作品はかなり控えめになってるんで、インド映画に馴染みがない人でも違和感なく視聴できると思います。
世界最速のインディアン
ネイティブアメリカンの陸上選手のストーリーではありません。バイクで世界最速を目指す老人の話です。
インディアンと言うのは、アメリカ最古のオートバイメーカーである「インディアン・モトサイクル」のバイクのことです。
ニュージーランドの片田舎に住むバート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)の夢は、改造に改造を重ねた自前の1920年型インディアン・スカウトで、アメリカのユタ州ボンネビル・ソルトフラッツに行き、そこで開かれる大会で世界記録を樹立することです。
そして医者に狭心症と診断されたことで、長年の夢を叶えるため彼はアメリカに渡る決意をします。
道中色んな出逢いやトラブルを経験しながらも、なんとか会場であるボンネビル・ソルトフラッツに到着。
他の出場者が大金をかけて最新のバイクやシステムを採用している中、何十年も前のバイクをDIYで改造したバートのマシンは酷く馬鹿にされます。
しかしなんとかこぎつけたテスト走行で、周りの目は一瞬にして好意的なものに変わります。
果たして彼は世界最速の男になれるのか。
田舎で夢を追いかけている老人が、如何にしてその夢を実現させたかという胸熱なストーリーです。これこそが人生ですね。
しあわせの隠れ場所
洋題は「The Blind Side: Evolution of a Game」で、NFLのドラフト1位でボルチモア・レイブンズに入団したマイケル・オアーの人生を映画化しています。
リー・アン(サンドラ・ブロック)は、家族と帰路につく途中、1人の黒人青年のマイケル(クィントン・アーロン)と出会います。気にかかったリー・アンは彼を家に招き入れ、そこで彼の境遇を知り、家族として一緒に過ごすことに。
そしてたまたま気づいた彼のアメフトの才能を伸ばすべく、マイケルをアメフト部に入らせます。
しかし根が気弱なマイケルは、スポーツといえど相手に強烈なタックルをすることに引け目を感じ、中々上達しません。そこでリー・アンがあるアドバイスをすると、マイケルの動きは見違えるほど良くなります。
この映画はマイケルの優しさとリー・アンの逞しさが全てと言っても良いでしょう。マイケルの書いた論文はぐっとくるものがあります。
こんな夢のようなサクセスストーリーが実話というのが凄いですね。
ゼロ ダークサーティ
オサマ・ビンラディン暗殺を成功させた、あるCIA職員の話です。
CIAの捜索チームはビンラディンの所在がつかめないまま、事態は一向に進展しませんでした。そこで、情報収集と分析能力の高いアナリストのマヤ(ジェシカ・チャステイン)がチームに加わることに。
しかし捜索は思うように進まず、テロの脅威は消えません。
そんな中、自爆テロによって同僚が犠牲になる事件が発生。そこから彼女は狂気にも似た執念で、ビンラディンを追い詰めていくのでした。
先に言っておきますが、このストーリーが実話なのかどうかは定かではありません。
ハリウッドの製作陣は実話を基にしたと言っていますが、アメリカの元国務次官補代理は「これはプロパガンダである。」と明言しています。
僕にはどちらが本当なのか判断はできませんが、少なくとも映像作品としての「ゼロ ダークサーティ」は非常に完成度の高い傑作と言えるでしょう。
爆弾処理班の鬼気迫る日常を描いた「ハートロッカー」の指揮を執ったキャスリン・ビグローが監督なんですが、この人は凄いなと感じます。
アメリカンスナイパー
実在した伝説のスナイパー、クリス・カイルの人生を描いた作品です。
弟と2人、ロデオに熱中していたカウボーイのカイル(ブラッドリー・クーパー)は、ある事件をきっかけに海軍に志願します。
この時の年齢は30歳で、新兵としては決して若くありません。しかし類い稀な狙撃の才能を開花させ、特殊部隊であるネイビーシールズに入隊。
ほどなくしてアメリカの同時多発テロ事件が起こり、カイルは狙撃手としてイラク戦争に赴きます。
戦地に4度派遣され、160人を狙撃したカイルは伝説となりますが、PTSDを発症し、私生活では困難を強いられます。
クリス・カイルはアメリカ国内では伝説のスナイパーという扱いですが、敵国からみると悪魔です。
一側面では国と家族のために尽くしたヒーローですが、その影で彼を恨む人物も確かに存在する。戦争ってこういうことなんだな、というのを強く感じます。
この映画を観終わった後は、エディ・レイ・ルースという人物について調べるのをおすすめします。戦争の闇というものを、より深いレベルで知ることができるでしょう。
パッチアダムス
「笑い」を治療の一環として取り入れた医師の物語です。
自殺未遂で精神病院に入院していたハンター・アダムス(ロビン・ウィリアムズ)は、笑いが患者の心を癒すという発見をし、バージニア大医学部に入学。彼を快く思わない人物との衝突がありながらも、次第に周囲から認められていきます。
しかし現代の医療制度に疑問をもったアダムスは、数人の同級生と共に無料の診療所を作ることに。彼の夢は実現したかに思えましたが、ある時アダムスの心を引き裂く事件が起こってしまいます。
「パッチアダムス」「クラウンドクター」と呼ばれ、無料の診療所を開設したのも、ピエロの鼻をつけて診療所するのも事実です。
現代の医療に最も足りてない部分を補える医者(癒者)が本当に存在するというのは、何とも素敵な話ですね。
クールランニング
ジャマイカのボブスレーチームが1988年の冬季オリンピックに出場した実話を基に制作しています。
1987年、ソウルオリンピックに100m走代表を決める選考会で、デリース・バノック(レオン・ロビンソン)は最有力と言われていました。
レース開始直後から予想通りデリースがリードしますが、ライバルのジュニアが転倒し、それに巻き込まれデリースとユル・ブレナーの3人がリタイア。
夢やぶれたデリースですが、あるキッカケでボブスレーの元金メダリストが近くにいることを知ります。そして彼の指導のもと、デリースはボブスレーでオリンピック出場を目指すことにしました。
チームメイトはレースで転倒したジュニアとユル、そして親友のサンカ。
しかし雪の降らないジャマイカでボブスレーの練習はできません。なので草原を走ったり、冷凍庫で冬の寒さを体験したり、バスタブに入ってイメトレしたりしますが、実際に氷の上を走るのはぶっつけ本番という無謀っぷり。
果たして彼らはオリンピックに出場できるのか、という内容です。
ひと言でいうとロマンですよね。雪の降らない常夏の国からボブスレーの代表チームが出場するっていうのが、どれだけハードルの高いことなのかが分かります。
底抜けに明るく、ハッピーになれる映画です。
まとめ
映画という娯楽において、現実の話を映像化するのはとても難しいことだと思います。
でも上記10作品は僕が自信を持っておすすめできる傑作ばかりです。
まずはここから観てみるのをおすすめします。
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