どうも!エセ関西弁使いのライターのカナモです!
僕は18歳まで地元岡山で暮らし、そこからずっと関西に住んでいます。
関西に来て一番最初にぶつかったのは「言葉の壁」です。
「汚い」「怖い」で有名な岡山弁使いがいきなり関西に来ると、方言の違いに頭を悩ませるのは当然と言えば当然です。関西に来て12年以上経ちますが、今でも方言の違いに驚いたり、新しい発見をすることがちょこちょこあります。
なので今回は、僕が関西に来て知った「これって方言なんや…」と思った言葉を中心に、「宇宙語」とも称されるクセの強い岡山弁紹介していきたいと思います。
はっとうじ
カメムシのことです。
何故そんな名前になったかというと、昔「八塔寺」というお寺に、風呂に入らないめっちゃ臭いお坊さんが居たそうです。だからそのお坊さんと同じくらい臭い虫のことを「はっとうじ」と呼ぶようになりましたとさ。めでたしめでたし。
テンパール
家庭用ブレーカーのことを岡山ではこう言います。
そもそも「テンパール」とは、広島県に本社を置く電気設備会社の名前です。岡山県ではテンパール社のブレーカーの普及率が高く、そこから転じて家庭用ブレーカーのことを「テンパール」と呼ぶようになったそうです。
あれと一緒です。御座候。ジップロックでもいいです。
そ
僕は使わないんですが、何かを差し出す時に「どうぞ」という意味で「そ」という人がいます。僕の育った地域では高齢者に「そ」を使う人が多かったと思います。
古き良き岡山弁という訳ですなぁ。
おおがっそう
髪がボサボサでぐっちゃぐちゃの状態のことを「おおがっそう」と言います。よく祖母が「まぁ〜そのしょしゃぁみい。やげろーしいおおがっそうじゃのう。」と言ってました。ここまで来るともはや呪文ですね。
「しょしゃ」は「見た目」、「やげろーしい」は「鬱陶しい(多分)」です。
一応誰でも分かるように翻訳した場合、
「まぁその格好を見てみなさい。鬱陶しいボサボサ頭じゃないかシェケナベイベー。」
という感じになります。
はよしね〜や
これは他の地域から来た子供がこう言われて、いじめられていると勘違いした。という逸話が語り継がれています。
しかし「早く死ね」という意味ではありません。「早くしなさい」という意味です。関西弁では「はよしぃや」と言いますよね。それと全く同じです。
おえん
「ダメ」という意味です。
おそらく「手に負えない」が縮まってこうなったんだと思われます。これを過去形にすると「おえなんだ(負えなかった)」となります。
「テストどうだった?」「全然おえんわ。」と、何度使ったか分かりません。
たわん
「足りない」という意味から来てると思うんですが、これも恐らく他府県では通じないと思います。
「身長170cmには、あと3cmたわん」「高い所に手がたわん」など、距離や長さに関する場面で使います。なので「知識がたわん」「愛情がたわん」などの使い方はしません。
たわんの対義語は「たった(足りた)」です。
たいぎー
「かったるい」「ダルい」という意味で使います。
「今日の授業ぶちたいぎーわー(今日の授業はとても面倒臭いです)」「あいつぶちたいぎー!(あの方はとても面倒な人です)」とまぁこんな感じで使います。
めぐ
「壊す」という意味です。「めげる」は「壊れる」です。
岡山でよく使われる方言ですが、実は古くからある正しい日本語なんだそうです。
あんごう
僕のことです。
多分「アホ」から来てるんだと思いますが、親に叱られる時は「この大あんごうが!」と、数え切れない程言われてきました。
多分親から1番多く言われた岡山弁じゃないかと思います。
ちゃら字
昔から当然のように使っていました。
「適当にチャラチャラっと書いた字」のことなんですが、僕は字が汚いんで、ずっとちゃら字ちゃら字と言われ続けてきました。
逆にそんな字をなんて言うのか知りたいです。走り書き?長い。適当に書いた字?ただの説明やん。
うったて
これは初めて知った時は耳を疑いました。
うったては書道の用語なんですが、それぞれの画の最初に力を入れてグッとすることを意味します。
僕も書道教室に通ってた頃は「うったてが弱い」「横の線はうったてを強く」なんて毎日のように言われていました。なのでこれが方言だとは微塵も思っていませんでした。もっと早く知っていれば関西で恥をかくことも無かったのに。
ソックス
岡山県民は「靴下」とは言いません。もう間違いなく「ソックス」と口を揃えて言います。
勿論ソックスは英語なだけで、表現としては間違ってはいないんですが、関西で「岡山県民は絶対ソックスって言うよな」と、何度もイジられました。
岡山弁チャレンジ
だいぶ岡山弁のことがわかってきたと思うんで、ここでひとつ問題を出してみたいと思います。
これが分かれば今日からあなたも岡山県民です。
ではいってみましょう。
問題1 初級編
「でーれーえれーけーねとかー」
比較的簡単な問題です。これでも。
Thinking Time!!
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はい、では正解を発表します。
「とてもしんどいから寝とくわ」
です。
「でーれー」は比較的有名な岡山弁で、「とても」という意味です。「どえらい」から来ています。同じ意味の言葉は他に「ぼっけえ」「ぶち」などで、地域や年代によってどれを使うかが分かれます。
「ねとかー」は「寝とくわ」の「くわ」をなまらせるとこうなります。
問題2 中級編
「おめーなにゅーよーんならぶっしゃくぞ」
「おめー」は誰でも分かりますが、その次がちょっと複雑です。
Thinking Time!!
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はい、では正解を発表します。
「お前は何を言ってるんだボコボコにするぞ」
でした。
「なにゅー」は「何を」を崩した言葉で、「よんなら」は「よーる(言っている)」と「〜なら」を繋げています。問題は「ぶっしゃく」ですが、「ぶち」と「しばく」を繋げると、岡山ではこうなります。県北の若者がよく使います。
だんだん岡山弁の法則が見えて来た頃かと思います。岡山弁はとにかく語尾をグチャグチャッと潰すという特徴があります。
問題3 上級編
「そけーでーとるでーこーてーてうぇーてしててーてーてゆーてーてー」
はい、なんの呪文やねんとかいうツッコミは無しです。もはや「てー」だけで文章が出来上がりそうな勢いです。
Thinking Time!!
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はい、では正解を発表します。
「そこへ出してる大根を炊いて置いて捨てといてって言っといて」
でした。
「そこへ」が「そけー」、「出してる」が「でーとる(出しとる)」、「大根」が「でーこ」、「炊いて」が「てーて」、「置いて」が「うぇーて」、「捨てといてって」が「しててーてーて」、「言っといて」が「ゆーてーてー」となります。
1語ずつ噛み砕いて見れば、比較的分かりやすいと思います。
文章に若干不自然な点はありますが、生粋の岡山県民なら確実に通じます。実際僕もすぐに意味を理解しました。
まとめ
岡山弁の特徴として最も顕著なのが、「連母音融合」という現象です。
連母音融合
母音(a, i, u, e, o)が連続する部分を連母音という。岡山弁では連母音が現れると、その部分が融合し母音の長音に変化する場合がある。以下は岡山市における連母音融合の主なパターン[1]。
[ai] [ae] → [æː] [jæː] [eː] 長い(nagai) → ナゲー(nageː)
瀬戸内海(setonaikai) → セトネーケー(setoneːkeː)
前へ(maee) → メーへ(meːe)
考える(kangaeru) → カンゲール(kangeːru) …. etc
[æː]はアとエの中間音の長音で、高齢層で聞かれる。[æː]は備前・備中に広く存在する発音で、美作には元来無かったが現在はこの発音がある。岡山市などの若年層では[eː]になる[1]。
[oi] [oe] → [eː] 青い(aoi) → アエー(aeː)
数える(kazoeru) → カゼール(kazeːru)
覚える(oboeru) → オベール(obeːru) …. etc
[ui] → [iː] 暑い(atsui) → アチー(achiː)
スイカ(suika) → シーカ(shiːka)
縫い物(nuimono) → ニーモン(niːmon) …. etc固有名詞について母音の長音化が行われる例は少ない。ただ、高齢層においては「生産物名」「地名」「歴史上の人物および芸歴の長い芸能人の名前」など、「生活において使用が一般化されている固有名詞」を長母音化させる人も多い。一般人の人名については高齢者でも長母音化させることは少ない。そのため「使用頻度の多い音節に対して、滑舌の使用頻度を下げ、疲労を軽減させ発語の速度を上げるための変化」とも言える。
引用:wikipedia
これさえ覚えておけば、岡山弁は殆ど攻略したも同然です。
「どぎつく汚く怖い」というイメージを持たれることの多い岡山弁ですが、喋ってる人たちは至って普通の思想をお持ちの人ばかりです。知らんけど。
こうやって方言を知ってもらうことによって、岡山弁への誤解が少しでも無くなればいいな〜なんて思ってみたりしてます。
方言って楽しいよね。
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