どうも!女性の集団が怖いライターのカナモです!
みなさんはご存知ですか?
香川県では新築の風呂に近所の人がうどんを食べに来る
という風習を。
もう怖いわ。香川県民。
まぁそんな変わった文化があるとの噂ですが、せっかくなんでその真偽を確かめるべく、ある男にコンタクトを取りました。
風呂を改装した時なんかもやるわ。
そ…そうか、わかった。サンキュー。
マジでした。
聞いたのはこのブログ運営者で生粋の香川県民、矢野キチ氏でした。彼が言うには、新築だけではなく風呂を改装した時にも風呂うどんは発動するみたいです。
しかしマジでした。
うわさの風習は実在することが分かりましたが、何故そんな奇行風習が根づいたのかが気になりました。これは調べるしか無いな、と。そういうわけで、以下について詳しく調べてみることにしました。
- 何故風呂でうどんを食べるのか
- 風呂うどんの風習がある地域
- 食べるうどんの種類
- 風呂うどんのルール
これだけ知ることが出来れば良いかなと思う項目をザッと出してみました。むしろこんだけ分かれば地元民よりも詳しくなるかも。
何故風呂でうどんを食べるのか
昔は、一家にひとつ風呂があるという時代ではありませんでした。風呂のある家に、近所の人が”もらい湯”をしに行くことも珍しくなかったそうです。しかも香川は万年水不足。まさに”湯水のように”お湯をかけ流すことはできなかったんでしょう。
水を節約するため、ひとつの風呂に人が集中したんではないかと思います。
つまりその時代、風呂はみんなのものだったんですね。だから風呂が新しくなると
となったわけですね。
しかしただ入るのではお祝い感が無いので、何かやってみようと考えたんでしょう多分。
という感じで、多分トントン拍子に決まったんでしょう。
風呂うどんは中風を予防できるという話が現在でも言い伝えられているそうです。うどんのように太く長く生きられるように、という願いも込められているのでしょうきっと。そして香川県民は祝い事や年中行事で、うどんを食べるという文化があります。いやいや四六時中食ってるやん
だから風呂が新しくなったおめでたい日には、やはりうどんで祝うのがベストだと判断したんでしょう。
風呂うどんの風習がある地域
では実際にどの地域で風呂うどんが食べられているのかを調べました。
ザックリ言うと観音寺市、三豊市、多度津町、善通寺市、琴平町、まんのう町、丸亀市、綾川町あたりの、いわゆる「西讃(せいさん)地方」に風呂うどんの風習が残っているようです。
しかし同地域でも、細かく分ければやる所とやらない所が出てきます。地域の伝統というよりも、そこに住む人々に根づいたかどうかという問題だと思われます。
隣人Cのような人も実際にいたんじゃないかと思います。西讃地方であっても、そういった人の多い地域には風呂うどんが根づかなかったわけです。
食べるうどんの種類
では実際に風呂うどんをやるにあたって、なにうどんが食されているのかを調べてみます。タブーとされているうどんを知らずに食べてしまうと、香川県民にうどんと一緒に茹でられる可能性も否定できませんからね。
どうやら一般的には具を何も入れないかけうどんがスタンダードのようです。なぜかけうどんなのか、答えは見つかりませんでした。
なので僕なりに推理してみたいと思います。
理由1 早く作れる
風呂うどんには沢山の人が殺到するそうです。それこそ青森にスタバが初めて出店した時のように。いや言い過ぎか。だから回転率を上げるため、手早く作れるかけうどんが1番適しているんじゃないでしょうか?
理由2 体が冷えない
せっかく風呂で暖まってるのに、冷たいざるうどんでは体が冷えてしまう可能性があります。やはり「風呂と言えば熱燗」と同じで、香川県民は「風呂と言えばかけうどん」なんでしょうきっと。
それにざるうどんは皿が複数要るんで、風呂には向いてないです。
理由3 こぼれてもわからない
ぶっかけうどんみたいにダシの色が濃いと、手を滑らせてうどんが風呂の中にこぼれてしまった時、「あ、こいつこぼしたな」とバレバレです。お湯の色変わってるから。
沢山の人が入りに来る風呂で、前の人がうどんこぼしたのが分かったら嫌でしょ?かけうどんなら色薄いからバレないです。風呂でかけうどんが定着したのは、来客の気持ちを配慮した優しさの結晶なんです。
とまぁ勝手に理由を考えてみました。僕なら釜玉が良いですけどね。
風呂うどんのルール
香川県民は風呂うどんに命をかけてると言っても過言ではありません。そんな香川県民を前にして、もしアンチマナーな振る舞いをしてしまったら、小麦粉と一緒にコネられて麺棒でペラッペラにされますよ。なので、いつお呼びがかかっても良いように、風呂うどんのルールを熟知しておく必要があります。
ルール1 一番風呂は家長
1番最初に風呂うどんを堪能するのは、その家の家長だと決まっています。まぁ風呂を新しくしたのも、その費用を捻出したのも家長なんで、当然といえば当然ですが。
なので、もし家長よりも先に入ろうもんなら、つま先からゆっくりスライスされてうどんの具にされますよ。知らんけど。
ルール2 年長者が優先
年長者が優先されるのは、体が弱っているからとか、人生経験が豊富だからとかいう理由ではありません。長く生きてる分、他の人よりも多くうどんを食べてきた「うどんマイスター」だからです。香川県民の優先順位は実力とか年功序列じゃなく、うどんを食べてきた量が全てです。なので必然的に年長者は尊敬されるわけです。
いや冗談すよ?普通にお年寄りを優先する優しさです。
ルール3 敬意を忘れない
「風呂でうどんを食べられる!」という興味やノリだけで風呂うどんに参加してはいけません。そこには古くからのご近所づきあいというベースがあります。
「昔から風呂を借りていた仲だから、これからもご近所同士仲良くしよう」というお祝いの気持ちが、風呂うどんという風習を生んだ筈です。なので、最近引っ越して来たような何も知らない隣人が、声がかかったからと言ってパーティ気分で参加してはいけません。
参加を辞退しろとは言いませんが、この変わった風習には昔からの生活の痕跡が息づいているんです。なので敬意を払い、心からお祝いするスタンスで風呂うどんを食べましょう。と言っても、人のいい香川県民は誰でも分け隔てなく迎え入れてくれるでしょう。そこにも感謝の気持ちを持ちましょう。
あとがき
香川では「初風呂うどん食え」ということわざが当たり前のように浸透しています。
「石の上にも三年」を知らなくても問題ないですが、このことわざを知らないと市中引き回しのうえ打ち首獄門にされるとかされないとか。
お向かいの岡山県出身の僕ですが、勿論こんな風習はありません。風呂うどんには、香川県民の狂気とうどんへの深い愛を感じました。
新しい風呂できびだんごでも食べてみるかな。